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流れ星の辿りつく場所

MMORPG「エミル・クロニクル・オンライン」内での出来事や管理人の創作物を徒然なるままに書き記すブログです。

昔語り2

霧:それが義兄さんや双歌さんとの出会い?
椿:そう。最初は怯えちゃって・・・二人を傷つけたかもしれない。
霧:・・・でも姉さんたちを見ているとそんな感じには見えなかったな。
  ところで姉さん、椿、って名乗っていたけれど。
椿3

椿:私の名前は・・・絆なの。



双歌と垃圾と名乗った彼ら。
彼らに抱いた第一印象は消え、もう、恐怖はなかった。
紅い髪、金色の瞳が印象的な少女と蒼い、どこまでも深い蒼の髪を持ち、目を伏せた少年。
そして、金の髪、翠と蒼の瞳を持つ私。
それぞれが持つ姿に違いはあれど、少なくとも、彼らと私の想いに違いなどないのだと感じた。

いろんなことを話す。
タイタニアの試練。記憶を封印されて来ているこの身に残る記憶は少なく自然と
彼らの話を受けることが多くなってしまうが、彼らは嫌な顔をせず私に語りかけた。
「僕はソードマン。彼はスカウトだ。
 ドミニオンは攻撃力は強いが打たれ弱い面がある。
 同じソードマンなら力も活かせるのに垃圾ったらスカウトになる、って
 一人でマスターのところへ行っちゃって。気づいたら大陸の洞窟にいるって言うし、
 僕はそこに行けるだけの力はないし心配したよ」
双歌さんの怒りを他所に飄々とした顔で垃圾さんは座っている。
「・・・垃圾さんはどうしてスカウトに?」
「同じ接近職でもこいつが敵を薙ぎ払う力を付けるのならば同じ職を選ぶことは
 ないだろう。速さを活かし、敵に触れさせずに倒す力も必要だからだ」
垃圾の言葉に双歌さんは うっ と少し困ったような顔をする。
この二人は互いの背を守れる力を互いにつけたいと思っているのだ。
「お前は何になるんだ?」
垃圾さんは私に問いかける。
「私は・・・」
私は・・・ウァテスになることを考えていた。
この身は戦闘に向いたものではない。
魔力を用い、だが人を傷つけず、癒しを与える職。
「ウァテスに・・・なりたい」



“タイタニアなら魔力は十分にある。アップタウンに白の聖堂があるから
  そこで転職試験を受けるといい”
そう言われてやってきた白の聖堂。たたずむのは6枚の白羽をもつギルドマスター。
「・・・こんにちは」
にこやかに挨拶をされる。
「こんにちは」
「ここは白の聖堂。ウァテス系の職業について責を負う任務を与えられています。
 白羽の少女、あなたはウァテスになりたいのかしら?」
「はい」
「あなたの名は・・・?」
「椿・・・いえ、椿姫です」
私は椿、だけど、私は椿姫。
ここに来る前に黒の翼を持つ2人に与えられた名。
“椿の姫君”
姫君などといわれたことはなかったので照れて赤くなってしまったけれど。
“同じ呼び方でもこっちのほうが君に合ってる。椿姫”
この名は、白と黒を繋ぐ名。
「では・・・椿姫。ダウンタウンにいらっしゃるセイラ様にお話を聞いてきてください。
 その後ウァテスの紋章を与えるに相応しい者であるか、試験をいたします」
「わかりました、司祭様」
ギルドマスターに会釈を返し私は聖堂の外に出る。
向かうのはダウンタウン。
アップタウンの綺麗な街並みと異なり、ここダウンタウンはいささか人々の自由度が
増している傾向がある。
その北東にいたセイラ様。見た目は普通の方と変わらないのにこの方が放っている
空気は神々しさがあった。
セイラ様は私に語る。ウァテスは人々を癒す職であること。
属性は光であるため、他の属性場では力が弱くなってしまうこと。
他の属性の中でも闇属性においては闇を照らし、光を以って攻撃ができること。
そして・・・どんなときでも癒しの心を忘れないで欲しい、そう、私に語った。
聖堂の司祭様のところに戻る。
別れ際のセイラ様の笑顔と、私を励ましてくれた黒の翼を持つ二人の笑顔を思い返して。
「おかえりなさい。無事お話を聞いてこれたようですね」
司祭様の言葉に私は頷く。
「ウァテスの試験を受けますか?」
問いかける。
「はい!」
その問いに私は力強く答えた。



「・・・綺麗な紋章が宿りました。これであなたはウァテスです」
試験を無事に受け、私はウァテスになることができた。
「あなたにヒーリングをお教えします。そしてこれを・・・私からの転職祝いです」
「ありがとうございます、司祭様」
頂いた緑色の帽子をつけ、司祭様に向き直る。
「よくお似合いです。あなたのこれからの冒険に幸多からんことを祈っています」
司祭様に頭を下げて私は聖堂の外に出た。










「ぇ・・・?」
聖堂から出た私を待っていたのは。
確かにあの二人で。
まぶしい笑顔で、私を呼んでいる。
ただただ嬉しくて。
待っていてくれたことに感謝を抱いて。
私に椿姫の名を与えてくれた二人が愛しくて。
ほんのちょっぴり泣いてしまったことは秘密にしておこう、そう思った。
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