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流れ星の辿りつく場所

MMORPG「エミル・クロニクル・オンライン」内での出来事や管理人の創作物を徒然なるままに書き記すブログです。

昔語り3-1

SS3話 前編

「ふぅ・・・」
モースグ崖。
徐々にレベルが上がってきてはいるものの攻撃魔法は一つしかなく、まだまだ魔力も足りない私はこうしていつも安全な場所を確保できるところで1人、狩りをしていた。
敵は蜂、犬、少し奥へ向かえば熊。
奥へ向かうことはないため、熊の大群に襲われることはまずない。
犬・・・、バウはこちらに気づくと襲ってくるアクティブな敵ではあるが落ち着けば対処できる。蜂はノンアクティブ、こちらから攻撃しなければ襲ってくることはないのだが仕損じると仲間の危機に反応して群れとなって襲ってくるので注意が必要だ。
「・・・少し、寂しいな」
見渡しても獣と自分だけ。この場所は人があまり通らない場所。
少し、いや、温かいぬくもりを知っている身には寂しいと感じた。
二人は近接系の戦いを得意とし積極的に戦いの場へ向かえるため、私とは少しレベルが離れていて。少しでも差を縮めたくてこうして毎日ここへ来ている私がいる、というわけだ。
(少し、無理しちゃうくらいじゃないと追いつけないよ・・・早く一緒に戦いたい)
はぁっ、と一つ息をついて杖を構える。
少し離れた場所にいるバウへ向かって集中力を高める。
「ホーリーライトッ!」


「椿姫・・・どこいったんだろ」
剣を置いて部屋を見渡す。
今日のクエストを終了して宿へ戻ってきたのだが、白羽の少女の姿が見えない。
(白の聖堂は覗いたけれどいなかったし・・・最近いつもどこかへ出かけているなぁ)
「ねぇ垃圾、椿姫変な奴に捕まってたりしないかな。
 夕飯までに帰ってくるかなぁぁぁ」
ぽけっとしてるとこがあるからなぁー、と叫ぶ紅の髪の少女。
いや 落ち着けよ、と突っ込みたくなったが元よりあの白羽の少女を気に入っている双歌に何かいっても無駄だとわかっている。
「いつももう少ししたら戻ってくるだろう。心配していても仕方ないし、お腹もすかせてくるだろうから夕飯の支度をしておけばいいじゃないか」
そう言うと戦闘で使用していた自分のナイフと双歌の剣の手入れを始める。
こうしていると心が静まる。武器の声を聴き、今日の闘いを振り返る。
「自分の武器くらい自分で手入れするよ・・・」
そういうものの、自分は料理が得意ではないし。
「得手不得手。俺が手入れ、お前が料理だ」
むぅ、と少し膨れている様子が見えるがこういうことは気にしないにかぎる。
前掛けを軽く投げて早く支度しろ、と促す。
「はいはい、わかりましたよー」
垃圾の嫌いな料理一品混ぜてやるーと聞こえたが・・・。
(やめてくれ・・・肝だけは俺は食えないんだ・・・)
前掛けを付けて夕食の支度を始める双歌が肝を使った料理を作らないことだけを祈った。

数十分が過ぎた頃であろうか、扉が開いて椿姫の姿が見えた。
(怪我はしてないように見えるが・・・服に埃がついている。ヒーリングで癒しているのか)
いまいちツメの甘い隠し方をするものだ、と感じる。
買い物に出かけたのならばそんなに汚れるはずもない。
本人が隠したいのなら、気づかない振りをするのがいいのだろう。
おかえり、と視線を送る。
「おっかえり!もうすぐ夕飯できるよ、着替えておいで」
「ただいま。ごめんなさい、支度1人でさせてしまって」
パタパタとせわしく駆けていく。
二つに結った髪をほどき、緩く纏め上げ、部屋着に着替えて台所へ。
双歌と色違いの前掛けをつけ、皿の準備をする。
どこにいってたの?と双歌に聞かれたものの素直には答えられず、少しお出かけしてただけだよ、と返した。
温かい場所、温かい食事、温かい仲間。
思い返せば、それを最初に壊してしまったのは私だった。




「本当ですか?」
「ええ・・・大陸の洞窟にアンデッドが発生しているらしいわ。
 敵の数は不明、数種類いるようだけど」
いつものように白の聖堂でクエストを受けていたときのこと。
司祭様が私に教えてくれた情報。
アンデッド・・・ならばヒーリングで攻撃は可能だ。
光属性は死者に対して、そして闇に対して強大な力を持つ。
もしかしたら、私の魔法も通じるかもしれない。
そう考えた私は宿へ急いだ。
必要なものを準備して、大陸の洞窟へ行くために。

(あんなに急いでどこへ向かうんだ・・・?)
ダウンタウンの町並みで物資の補給をしていたところに見えた姿。
普段の彼女からは見えない、少し興奮した面持ち。
(あまり、いい予感はしないな)
「どうしたの?垃圾」
「少し別の物を見に行く。荷物任せた」
「ちょ!ま、待てっ。僕のキャパ越えたー!」
叫んでいるがしょうがない。何だかいやな予感がするんだ。
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